この記事は中国とアメリカの話題だが、ロシアについても同じだ。フランスやドイツは必ずしもロシアと敵対するつもりはない。なんでもアメリカの言う通りにすればいい、と、いうわけにはいくまい。


50年前のきょう、世界が仰天した。ニクソン米大統領が、文化大革命の煙がくすぶる中国を訪問し、北京で建国の父、毛沢東と握手を交わしたのだ。対立から融和への外交方針の転換に、西側、特に日本の衝撃は大きかった。まさに、やぶから棒、寝耳に水だったろう。

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▼この人たちも、ショックでむなしさを覚えたそうだ。やはり半世紀前、長野県の「あさま山荘」に人質をとり立てこもっていた連合赤軍の構成員らである。ニュースで、訪中を知った。「アメリカ帝国主義(米帝)に日本が加担し、ベトナム戦争が中国を巻き込み世界大戦になるのを防ぐ。そのための闘争ではなかったか」

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▼首脳の手打ちで前提が崩れた落胆を、元メンバーは、こう回顧する。当時、中国は旧ソ連と国境紛争のさなか。国内も疲弊し米ソと対峙する力はない。米も北ベトナムを助ける中国と関係を改め、ソ連をけん制したかった。そう、ものの本にある。国際政治の力学や知恵は、変化をためらう国や人を置き去りにするらしい。

▼だが、米中に往時のムードのかけらもないことは、日々報道で接する通り。情勢の転変もまた歴史の冷徹なルールなのだろう。ちなみに、山荘に立てこもった犯人の一人は、数年後、別の事件に絡む「超法規的措置」で釈放、海外に潜伏中とされる。後期高齢者入りした活動家はどこの空の下で、50年を振り返っているか。

2022年2月21日 日経春秋より

ニクソン訪中50年」という記事も合わせて読むと面白い。

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日本の言いなり外交もそろそろ考え直したほうがいいのではないか。
沈みゆく日本よ。
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