日経「春秋」今朝の記事。ほんの数行の記事なのに、ものすごい登場人物と時代が交差して興奮した。
このブログの記事にふさわしくないかもしれない。

無題5

1969年公開の映画「新宿泥棒日記」は、大島渚監督が当時のサブカルチャーで全編を彩った問題作だ。舞台はすべて東京・新宿の雑踏や書店やアングラ演劇のテントの中である。半世紀後のいま鑑賞すると、新宿という街がいかにとんがった存在だったかがわかる。

無題1

▼フーテン族のたむろする東口も混沌としていたが、西口もエネルギーに満ちていた。反戦フォークゲリラが歌声を響かせた地下広場の設計は坂倉準三である。小田急百貨店の本館も一体的にデザインされ、新宿西口といえばあの横長のビルを思い浮かべる人は多いだろう。そんな小田急本館が、再開発により消えるという。

無題2

▼来年9月末に百貨店は営業を終え、建物も解体される。跡地には高さ260メートル、48階建ての高層ビルが立つ予定だ。専門家のあいだでは、西口広場の水平的な広がりとのバランスが崩れてしまうと嘆く声もある。東京都などは、新宿全体のもっと大がかりな改造案も練っているから景観はずいぶん変わっていくに違いない。

無題4

▼マスタープランには美辞麗句が並ぶが、ワクワクしてこないのはなぜだろう。再開発であちこちにできる巨大高層建築は、どうもノッペラボーなのだ。ちなみに「泥棒日記」に登場する紀伊国屋書店のビルは、坂倉とともにモダニズム建築を担った前川国男が手がけた。耐震補強工事を経て、時代の記憶をなお宿している。

無題3


言うまでもなく、『新宿泥棒日記』は横尾忠則さんが軸となって進む映画で、紀伊国屋書店の社長、田辺茂一氏が本人が出てくるというゲリラ的な映画だった。

今年、大島渚作品が復刻し、横尾忠則さんの大規模な展示が開催される中で、このような記事を目にするのはとても新鮮だ。

この時代の個性的な諸氏と比べると、いかにも現代の都市、現代の日本がノッペラボーになってしまったかを突きつける素晴らしい記事だ。没個性、没消費、没欲求社会で、何も求めず何もせず、だまって家でゲームをして過ごす若人を思う。
(=^・^=)


新宿泥棒日記 [ 横尾忠則 ]
新宿泥棒日記 [ 横尾忠則 ]




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