フランケンシュタインをあの包帯だらけの巨人と勘違いした理由は「怪物くん」のせいだ。
原作者は女性。メアリー・シェリー。エル・ファニング主演で映画にもなった。『メアリーの総て』
科学や医療の進化が倫理を犯すという意味では、人類は常に逡巡してきた。
春秋 2020/1/24付
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原作者は女性。メアリー・シェリー。エル・ファニング主演で映画にもなった。『メアリーの総て』
科学や医療の進化が倫理を犯すという意味では、人類は常に逡巡してきた。
春秋 2020/1/24付
メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」が世に出たのは200年以上も前である。優れた知性と豊かな情感を持っているのに人々に疎まれて暴走してしまう人造人間と、彼をつくり出した天才科学者の悲劇は、世紀をこえ国境もこえて世界中で親しまれてきた。
▼この古典的な物語を思い起こさせるニュースに目を見張ったのは、10日ほど前だ。米バーモント大とタフツ大の研究者たちが世界で初めて「生きたロボット」を開発したという。「ゼノボット」と名づけられた。実験動物として知られるアフリカツメガエルの幹細胞から培養した2種類の細胞を部品に、組み立てるそうだ。
▼見かけはロボットらしくなく、サイズは1ミリ以下と小さい。水中を自律的に移動できるので医療や環境の分野で大いに役立つ、と期待されている。繁殖せず、エネルギーを使い切れば活動できなくなって自然に分解する、とのこと。厳密な意味では生命ではないのかもしれない。ただ、動画を見るといかにも微生物である。
▼人が創世主のまねごとを試みれば恐ろしい結果を招く……。再版された「フランケンシュタイン」の序文でメアリー・シェリーはこんなことを書いている。数多くのSFで繰り返されてきた警告だが、いまや科学技術が「神の領域」に踏み込んだのは疑いない。ワクワクすると同時に、おののくような気分も覚えてしまう。
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