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キネマ旬報で昨年から時々企画されている年代別ベストテン。今回は外国映画1990年代を振り返る企画となっている。70年代80年代に続いての企画。実に面白いのが、当時のキネ旬ベストテンでは全く姿かたちが存在しないような名作が上位に名を連ねていて、おどろくべきことに今回の一位は『牯嶺街少年殺人事件』という台湾映画だった。これは色々な意味で画期的な結果である。私はこの映画を2017年3月に鑑賞した。2007年に若くして亡くなったエドワード・ヤン監督の歴史に名を残す最高傑作。

ほかにもウォン・カーウァイの『欲望の翼』やアキ・カウリスマキの『マッチ工場の少女』のほか、当時ベストテン圏外だった『ポンヌフの恋人』が、製作途中でお蔵入りになるところを日本の資本が支えたことなどを初めて知った。

ソニーがコロンビアを買収したのが1989年で、バブル期の日本をジャパンバッシングする傾向が高まる時代。そしてその後日本はジャパンパッシング(無視)されて、ハリウッドの目線は中国に向かう。そしてシネコンが一気に広まった時代。

個人的に自分はこの頃仕事盛りで、映画館に足を向ける機会は激減する。その後子供に恵まれ、子供と一緒にアニメ鑑賞に携わるまで、映画とはほぼ無縁の15年(暗黒の15年)となる。映画を映画館で見る機会が再び増えたのはごく最近で、50歳割引が使えるようになってからだ。一般料金1800円は割高だったのだ。反面自宅で鑑賞していたビデオがDVDに代わってゆく時代でもあり、映画が映画館からより身近なものに近づいたことは間違いない。

でも、やっぱり映画は映画館で見るべきだ。その場の空気が必要である。

キネマ旬報 2019年 9/15号 [雑誌]
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