トリエンナーレもこの日で４回目。名古屋市、円頓寺、愛知芸術ときて豊田市まで来た。まずは豊田市美術館の迫力に圧倒され、この素晴らしい美術館にしっくりおさまる作品が並ぶ。そのどれもが固定観念を打破するような不思議な作品ばかりで面白かった。クリムトを見た後だけに、現代美術の進化に圧倒されるばかりだ。



天井から大きな手がぶらさがる作品や、高い天井から花火のように照明が降りてくるスタジオ・ドリフトなど、どれも親しみやすい作品が並ぶ。
壁面に並ぶ新聞記事の数々に目を近づけると、例の「表現の不自由」にまつわる主催者とプロデューサーのコメントなどが並び、メディアの魑魅魍魎とした世界を文字で追う、という不思議な空間演出もあった。



まだこの先トリエンナーレを見に行く予定なので総括するつもりはないのだが、奇しくも「表現の不自由」というテーマがこの作品群の背景に鎮座していることを強く意識させる内容であった。世の中が崩れてゆく兆候とも読み取れる。メディアや政治が強く引き合うと、これだけネットやＳＮＳなどで裏付けのない情報が氾濫することを目くらましのようにして、不穏な情勢へとリードしているのではないかと疑いたくなる。