ローマの休日 Roman Holiday : dalichoko

なんとなく真夏の朝なのに秋の空気を感じる。気のせいか？

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　何度この映画を見たことだろう。しかし映画館の大きなスクリーンでこの映画を見たのは初めてだ。ＴＯＨＯシネマズのプレミアム席はとてもゴージャスでリクライニングできるほどだ。客席は私どもも含め高齢者ばかりでほぼ満員。映画を見終えてよちよち歩きの老婆が隣の席の親族の手を握って「もう死んでもいい」と言っていたほど。それほどの感動がこの映画には確かにある。

　「１２時にかぼちゃの馬車で帰らなければなりません。」とアーニャが言うシーン。それは祈りの壁を目にした彼女が、この知られざる２４時間で大人になるシーンである。パジャマを着たがり、ビスケットとミルクで寝ていた少女が、最後にこれらの子供じみた生活から大人になる。見た目以上にストレスのある皇室の仕事を背負う覚悟をしたこのシーンがとても強く印象に残った。
　美しい映画だった。またぜひこの感動を味わいたい。
　午前十時のシリーズはこれで終わりだ。なんとかリバイバルで名画を鑑賞できる仕組みを継続していただきたい。

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この映画のすごさはユーチューブなどで町山智浩さんの解説などを聞くとよりわかりやすい。
　この映画はパラマウントがキャプラの『或る夜の出来事』と似た映画を作ろうとしたが、トランボが赤狩りで睨まれていて、ワイラーがローマでロケしたいと言い出したことで、金がかかるから役者を新人にしようということになってオードリーに白羽の矢がたったらしい。グレゴリー・ペックの役はケーリー・グラントがもともと予定されていたそうだ。
　ワイラーは完璧主義者なのにコメディも撮れる、あらゆるジャンルを撮れる監督。何度もダメ出しする監督だが、真実の口のシーンは１回でＯＫを出したらしい。