今回の長い旅行で、移動中楽しみにしていたのが読書。資格試験も近いので勉強も・・・と思ったが全く手つかず。

月と六ペンス【電子書籍】[ モーム ]
月と六ペンス【電子書籍】[ モーム ]

大昔に読んだはずだが、だいぶ印象が違った。読もうと思った理由はよく覚えていて、仕事で仲の良かった先輩の新婚旅行がタヒチだったからだ。意思のある頭のいい方だった。アパレル経験者。センスもよくて、ご夫婦と山下達郎さんのライブにも行った。彼がタヒチについて語るときにこの本のことが持ち出され、ゴーギャンについても話題になった。

この作品の意味を今さら理解しようと努めるのだが、月=理想、六ペンス=現実、というたとえがそのまま作品に反映されていることを知る。主人公のチャールズ・ストリックランドは安定した生活と家族を捨ててイギリスからパリに移住し、絵を描くことを決意する。このストリックランドをみつめる”私”という主体と、パリでストリックランドに翻弄されるストルーブとその妻。特にストルーブの妻ブランチは夫を捨ててストリックランドと貧しい生活をともにするが死んでしまう。残された夫のストルーブのみじめさ。

その後、この傲慢なストリックランドはタヒチに移住する。彼を受け入れるタヒチで最高の作品を仕上げ死んでゆく。

数々の名セリフは主人公のストリックランドが傲慢で他人を見下す性格であることに由来するが、人の心にある潜在的な意識にも入り込む。

「過去のことは考えない。重要なのは永遠に続く現在。」とか、「人はなりたいものになるのではなく、なるべきものになるのだ。」など、哲学的な発言が次々と披露される。

サマセット・モームが同性愛者であったことはこの本を読めば明らかで、主人公がずっと独身であることと、ひどい仕打ちを受けたストリーブがそれでもストリックランドを信奉するあたりにそのことが示される。そしてストリックランド自身がまるで女性を意識しない。女性は彼の才能に惚れるのだが、彼は女性を蔑視している。訳者が解説するとおり、これはプリミティズム(高貴な野蛮)についての話なのである。プリミティズムがある種の高貴な芸術を生み出す瞬間を客観的に描くのだ。

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そういえば『メリーポピンズ  』はTwepence だった。映画で「タペンス」と発音してたのは2ペンスのこと。

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朝、ヨーグルトにリンゴとキウイを半分。
現場直行して、
昼、家で卵焼きにツナとサラダ。
会社行ったら人が少なくて静かだったな。
夜、豚西京焼き2枚と小さな揚げ物3個。
今朝63キロ。

月と六ペンス
サマセット・モーム
2012-12-19


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