前日鹿児島からハードスケジュールで宮崎に移動する。宮崎についたのは９時過ぎだ。疲れ果ててタクシーに乗ると、運転手さんに「ホテル取れなかったでしょ？」と訊ねられ、ここで高校総体が開催されていることを初めて知る。確かにほかの地域よりホテル代が高かった。泊まったホテルも古く、値段ほどではない。

　早朝に朝飯も食べず、歩いて宮崎駅へ向かい、電車で赴いたのは青島だ。ＪＲの改札で、とっさにＩＣカードで入場したが、降りるときに現金しか使えないことを聞かされ、手続きにてこずった。電車を遅延させて申し訳なかった。
　着いた青島駅は無人駅で、そのまま青島神社のあたりまで歩く。通称鬼の洗濯岩だ。洗濯板とタライを知らない世代にこの意味を唱えてもわかるまい。痩せている方を「洗濯板」などと言ったこともある。今はデブだが、昔は洗濯板だった。それにしても自然現象でこのような地形が海にできるとは驚きだ。圧倒された。

　宮崎にはたくさんの思い出がある。プロ野球のキャンプ地でもあり、オープン戦を見に行ったこともある。長嶋さんが監督の頃だ。そしてキャンプ地に店を出しているという寿司屋でごちそうになったのも思い出だ。溜り醤油で寿しを食べたのはこの時が初めてだった。かつて新婚旅行のメッカと言われた宮崎も今は寂れている。それでも残された自然はまだ生きていて、自然の強さを十分感じ取ることができる。

　さて、ここからバスで大分に向かうが、その前に食べたごぼううどんもまた思い出になった。