卒業　４Ｋデジタル修復版 : dalichoko

　この青春映画がアメリカ映画の歴史を大きく塗り替える革命的な映画であることを最近知った。ユーチューブで町山智浩さんの解説を聞いて鑑賞するべきだ。この映画の知られざるトリビアな面を多く学ぶことができる。
　サイモン＆ガーファンクルの美しいメロディーが奏でる静かに始まるこの映画のどこが革命的なのか。
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　映画の前半はほとんど主人公のベンジャミンとロビンソン夫人の浮気に至るまでのシーンが続く。アン・バンクロフトの魅惑的な存在感がスクリーンを支配する。ロビンソン夫人は娘のエレインとベンが接触することを頑なに拒否するが、親の都合で幼なじみの二人がデートをすることになり、話が大きく展開する。
　ベンと母親のロビンソン夫人が関係していることを知ったエレインはベンを軽蔑して彼の前から去る。ベンはエレインを追いかけなんと彼女を取り戻そうとする。そして最後の教会のシーン・・・

　いつかどこかで何度か見たシーンではあるが、デジタル修復された映像は美しく、人物の陰影や全体の構図が見事だ。そしてなによりこの映画がハリウッドに革命を起こしていた頃の時代背景を知ることで、時間を超越して理解できる映画に変化していることに気づく。映画そのものは同じなのに、感じ方がどんどん変わってゆく。これが映画の醍醐味でありひとつの楽しみかもしれない。テレビドラマではこうなりにくいだろ。
　映画を総合芸術とするならば、デジタル化された美しい名作が後世に伝える意味は大きいだろう。
　映画はいい。
　映画は時代も時間も国も世代も何もかも超越する力を持っている。