ニューヨーク 最高の訳あり物件 FORGET ABOUT NICK
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 ニューヨークを舞台にした映画は多いが、実はタイトルに示すほどこの映画はニューヨークのことを中心に映画いていない。むしろ、このセレブなニューヨークの一室で展開される密室劇とも思える。
 モデルで新進デザイナーのジェイド(若き日のシガニー・ウィーバーに似ている)が、突然夫のニック(原題のNICK)に捨てられて、しかも慰謝料代わりに部屋の半分の権利を元妻のマリアに権利譲渡した、というかなり複雑な話である。この権利関係については国が違うのでわかりにくいが、夫が勝手に区分所有状態にしたのであろう。

フロム

 そんなことよりも、この映画の美術は目を惹く。部屋の壁に大きな絵画が飾られて、ジェイドとマリアの意見が別れ、二人の男が何度も何度もこの絵を2階と1階に移動するはめになるのだが、ここが最も笑えるシーンであろう。この絵画と脇に据えられた椅子の関係は、前日に鑑賞した『ワイルドライフ』にも繋がる。お互いが近づこうとして近づけない関係。
 実はジェイドとマリアの衝突は、アメリカ人とドイツ人の違いに由来する。そしてお互いの主張が芸術文学という隔たりで判断がそれぞれ異なるためかみ合わない。直感的なジェイドと理論的なマリア。しかしこの二人は、二人とも同じ男に捨てられた関係なのだ。
 こうした展開を読み取るにあたり、単なるコメディとしてスルーするとこの映画は全く面白くない。映画に出てくる美術品や絵画、そして文学や詩などの世界を多少なりとも認識できないと面白くない。そして言葉の応酬が繰り広げられる映画なのだが、多少の英語を知らないと、言葉に言葉が重なるシーンが多いため肩透かしをくらう場面もあるだろう。
 見た目以上になかなか深い映画であったと思う。
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