かつて会社の宣伝文句が「解約ゼロ」だったことがある。zero cancellation。
この重いノルマがかえって新規事業拡大や営業の妨げとなり、守るために社員が過敏で必要以上に仕事をするようになった。会社の規模が小さいうちはそれでいい。しかし規模が大きくなるとなかなかハンドリングが効かなくなる。コントロールできなくなる。
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この後、多くの企業は別のジレンマに陥る。

かつてはひとつひとつの仕事を丁寧に行っていた。誰もが仕事の全てを知っていた。しかしセクショナリズムの徹底により、会社の誰がどんな仕事をしているか知らない、処理能力を失った社員だけになる。見て見ぬふりをする。自分のリスクだけを守るための言い訳をする仕事。

この「絶対」と呼ばれるスマホケースが目の前でもろくも割れて跡形もなく壊れた瞬間を見て、そんなことを思った。
このケースは恐らく強さで対抗する作りなのだろう。垂直の衝撃や負荷には強い。しかし！このケースそのものが割れるということは、小さな衝撃にも弱いことを示している。アリの一穴である。どんなに強いものも衝撃には弱い。

今、

強さは衝撃を吸収することで補われている。強さで対抗するものではない。弱さを認め、衝撃を吸収するのが主流である。

宗教もそうだ。

絶対的な原理主義は滅び、独裁者は消え、イスラミック・ステートのように誰がリーダーか、誰が中心かすらもわからない見えない強さ。この現象を武力などの強さで押さえつけることはできないだろう。

世界は弱さの中で、強さを吸収する時代に入ったのだ。

それはことによると資本主義や民主主義（多数決）という原理すらも凌駕する、マルクスやエンゲルスが掲げた幻想に近づいているのかもしれないよ。マジで。