連続して小説を読む。こんなこと久しぶりである。
恩田陸さんの小説を初めて読む。1964年生まれ、青森出身早稲田卒。生保のOLから小説家に転身。2011年に初版。幻冬舎文庫。
不連続の世界 (幻冬舎文庫) [ 恩田陸 ]
不連続の世界 (幻冬舎文庫) [ 恩田陸 ]
塚原多聞という音楽プロデューサーの不思議体験を並べている。
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木守り男

多聞が偶然に聞いたコモリオトコというキーワードにつられて彷徨う世界。
ある意味詩的な世界であり、東京(日本)のバブルとその崩壊を暗示して終わる。

悪魔を憐れむ歌

セイレンの「山の音」聞くと死にたくなるという話。
多聞が突き詰めてゆくと、この声の主の父親が現れてくる。
山との対話。

幻影シネマ

瀬戸内海でバンドのロケに向かうと、杉原保というベーシストの記憶で「真っ赤な犬」の映像について探る旅。この地でロケがあると必ず誰かが死ぬ。そして杉原自身が過去に殺したのではないかと自問しはじめる。

砂丘ピクニック

楠巴という翻訳家がフランスの科学者アンリ・ベジャールの随筆を翻訳すると「砂丘が消えた」と書いてある。果たして砂丘が消えるとはどういうことかを探る旅。浦島太郎にも似た彼の不思議な旅を想像する。

夜明けのガスパール

多聞を含む四人の男の電車旅。旅の中で怪談話をする。
そして次第にこの旅が、多聞自身の深層心理をえぐる旅であることが明かされてくる。
彼の出自。父親を二人で過ごしてきた日々。別れ。消えた妻(ジャンヌ)。
様々な多聞の秘密が最後に暴露されてゆく。

以上、どこかですれ違ったことがあるような不思議な話を推理小説のように進めてゆく語り口は見事だ。

恩田陸さんは女性だが、この本を読む限り男性的な表現に感じる。登場人物が男性だから、ということよりも表現が男性的だ。「木守り男」のラストで乳母車を押す男が振り返りざまに「またな」とつぶやくシーンは印象的だ。そして日本経済の崩壊を暗示させる内容にも説得力がある。生きた時代が重なるので、このドラマが展開する周辺の表現に親しみを感じる。
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