東ドイツ、と聞いて若い方は馴染みがないかもしれないが、第二次世界大戦後間違いなくドイツは国家としてふたつに別れていた。そろそろ退任間近のメルケル首相も生後間もなく東ドイツに牧師の父親と移住している。この映画の時代と重なる頃に彼女は生まれている。朝鮮半島も二つの国家に別れているが、実は日本も東京を境に英語圏とフランス語圏に分断される可能性があった。それはまるでベトナム戦争と同じような状態ともいえる。
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そう思うと、歴史がすでに自分らの生きてきた時代にシンクロするのを感じる。


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余談だが、終戦を小学生の頃に迎えた自分の父親に当時のことを聞いても、あまり覚えていない。しかし「なんとなく将来が不安だった。」という言葉に嘘偽りはないだろう。この映画を目の当たりにしてそんな思いも去来した。
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時は1956年、なんとベルリンの壁ができる前の東西ベルリンの話だ。ベルリンの壁が戦後10年以上も経って、というか自分が生まれた頃に建てられたこを改めて知って驚いている。
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東ドイツの学校が描かれる。社会主義国家の圧政の中で、西ベルリンに抜け出して映画を鑑賞した二人の男の子がニュース映像で”ハンガリー蜂起”目撃する。この映画館でニュースを目撃と聞いても知らない若い方が多かろうが、テレビが普及する前は映画館のニュースは貴重な情報源だったのだ。松本清張の『砂の器』でもニュース映像が事件のポイントとなっている。


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この少年たちがハンガリーの革命を目の当たりにして、自分たちも革命を起こすのだ、という勢いで授業のはじまり2分間をボイコットして黙とうしたことが国家的な大問題になってゆくというお話だ。

これは様々なことを物語る。

東ドイツの状態もそうだが、この学校に集まる学生の家族に政治的な背景が複雑に折り重なるのである。いわばプロパガンダ合戦。今でいうフェイクニュースに近い状態を演出して、東西がにらみ合いをしていた時代に、それを真に受けた学生たちが混乱の渦に巻き込まれてゆく話だ。

これはのほほんと平和ボケしている我々に、知らされないどこかで大きな政治的陰謀が渦巻いていても不思議ではないということも暗示していると思う。

ここで”多数決”とい話題が出てくるが、民主主義は突き詰めると破たんして、知らぬ間に独裁者を生み出すジレンマに脅かされているという。現在の日本だって他人事ではないだろう。チャーチルが「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」と言った。つまりそういうことだ。


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ライオンズはドラフト1位ルーキー松本航投手が2勝目をあげた。しかし相変わらず控え投手が不安定だ。

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