世界同時株安にシフトしたよだ。米中の貿易摩擦がその理由だ。トランプが中国を「為替操作をした」と強く罵ったようだが、そんなことは以前から疑われている。今さらだ。

さて、

 「老いの住み替え」に加えもうひとつ読んだ論文はもっと深刻だ。

 縮小経済研究所の論説で、青野豊一氏の「家族の復権 多様な形態の家族」に接した。
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 3本の映画から現代日本の家族の在り方を問う内容である。その3本の映画とは『娼年』、『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII 』そして『万引き家族』だ。


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【新品】【本】ビジョナリーカンパニー 3 衰退の五段階 ジェームズ・C.コリンズ/著 山岡洋一/訳

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 冒頭にドミトリー・オルロフの「崩壊5段階説」で、崩壊の過程は
①金融→②商業→③政治→④社会→⑤文化という順で進むとしている。畑村洋太郎先生の『未曾有と想定外』という著書でも似たようなことが書いてあったし、ビジョナリー・カンパニーの『衰退の5段階』にも類似する。著者はこの5段階のうち、この時点ならまだ崩壊や衰退を阻止できる段階の例えとして③の政治を揚げている。


崩壊5段階説: 生き残る者の知恵









ドミートリー オルロフ




未曾有と想定外 東日本大震災に学ぶ (講談社現代新書) [ 畑村洋太郎 ]

未曾有と想定外 東日本大震災に学ぶ (講談社現代新書) [ 畑村洋太郎 ]

 著者は3本の映画の特徴を示しつつ、家族とは何かを模索する。家族とは時代や社会を写し変容するものだとしている。昔の結婚が家と家の関係だったものが、高度成長を踏まえ日本の住宅政策により核家族化が進む。その反動で逃げ場を失った子供が閉塞し、機能不全家族”となる。

 機能不全家族”はまず子供への悪影響を及ぼし、他者の苦しみや痛みがわかならい人間に育ち、社会との関係が築けず(引きこもり)、アルコールや麻薬、ネットやゲームなどへ依存してゆく。依存症についての映画は今年、『ドント・ウォーリー』や『ベン・イズ・バック』が印象的だった。

 ではこうした”機能不全家族”を生み出した要因は何かというと、その大きなひとつが資本主義成長経済であるとしている。貨幣(流動性)が生まれ、しかも最近だとネットで何でも売買が成立するから、人との接点がなくなることが遠因で、これにより家族の在り方も劇的に変化してきたという。貨幣は流動性としての匿名性が高い道具であり、これにより社会が崩壊に向かっているともいえるのだ。交換価値としての貨幣によって家族が崩壊してゆく、というジレンマと我々は戦わなければならないのだろうか。

 著者は最後に『万引き家族』をたとえに、血のつながない隙間だらけのゆるい家族関係を認めようという。それはかつての家父長制のような大家族ではなく、現代的な家族関係。『万引き家族』で安藤サクラさんのセリフが印象的だ。

 「本当の親子関係でないから、過大な期待がないからうまくいくのよね。」

 というセリフがすべてを示す。これらの現象を家族と呼ぶかどうかわからないが、もし最後に我々が守るものがあるとしたら、それはこれまでの慣習や常識や、もしかすると法律などにも縛られない新しい家族関係なのかもしれない。

 そんな暗示がある論文であった。

 

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いずれにせよ、時代ととも価値観も変わる。変わること恐れて生きることができない。
自らも過去を捨て、将来に不安を抱えつつ、変化のうえに変化を受け入れ、過ぎた過去を消し去ることで生かされてることをこの齢になって少しだけ自覚しはじめた。

縮小する社会多くの人々を切り捨てるだろう。切り捨てられることも受け入れる構えが必要だ。