この映画の舞台は自分が育った家からほど近く、この山を想像するには難しくない。それでも昭和でいうと３０年代の前半となれば、まだ終戦の名残りがあったことだろう。

そんな「サツキとメイの家」が長久手の愛知万博記念公園に再現された。あの時代のあの風景が立体化したのである。
都市伝説では、あの木の上から病院の母親を見下ろすサツキとメイはすでに死んでいて、母親が「二人が見ているような気がする。」と言ったセリフは、幼い二人の亡霊が囁いたという説もある。このドラマを温かいドラマとするか悲劇とするかは見る側の想像でいいだろう。いずれにしてもこうした風景があったことがこの映画の主題なのだ。