岐阜でラグビー観戦した帰りに、長蛇の列ができる店があった。どうも餃子の専門店のようだが、一度は来ようと決意していた。そして墨俣の桜を満喫した後、ふらふらと岐阜駅前を歩いて目的地に着いたのが夕方五時半ごろだろうか。すでにその時間で長蛇の列。開店が五時半なので開店前から並んでいる方が多いのだろう。
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近くの交差点では客引きの若者たちが戯れる。遊びか仕事かわからないほど楽しそうだ。

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餃子というと心の故郷亀戸だ。
亀戸餃子など、ほかの地方で知る由もなかろうが、祖母に連れられて寄ったときを忘れない。何しろ餃子専門店。間違って餃子以外のものを注文すると叱られるという店だった。もちろん今はそんなことなどないはずだが、気質で筋の通った先代のご主人が寡黙に餃子を焼いている姿が脳裏にこびりついている。

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こちらの岐州餃子の店は、必ずしも餃子だけのメニューではなく、チャーハンやオムライスなども提供している。しかしやはり中心は餃子。壁には有名人のサインがびっしり飾られていて、高田純次さんとオリラジの番組でもここに来たらしい。

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行列に並ぶ間に餃子3人前を事前にオーダーすると、一時間近く待ってから狭い店内の奥にあるカウンターに座るよう指示される。とにかく狭い店内はせいぜい20人ほどしか入らない。しかも古びた店内の雰囲気は老舗感が強い。

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カウンターに座ってしばらくすると、やっと餃子2人前が届けられる。

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ここからが要注意である。小籠包にも似たこの餃子に知らずにかぶりつくと大変なことになる。中に充満している肉汁が飛び出して火傷するほどだ。食べるときはこの肉汁に注意しないと大変なめにあうのだ。三人前を一気に出さない理由はこれだった。熱い肉汁の餃子を堪能するのがこの餃子の特徴のようだ。

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ご主人はいかにも一代で店を築き上げた感じの意思のある目力の強い方だ。先代の亀戸餃子の主にも似た印象だ。この頑固さは一代だ。世の中は変わる。店を見渡すとそのほとんどが常連客とわかる。一度はまるとやめられないという雰囲気。老舗の古いいい店だ。

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