今年のキネマ旬報ベストテンは、例年よりも発表をひと月ほど遅らせて、まずは受賞部門をマスコミにリリース後、キネマ旬報の発売日に雑誌で二位以降を発売して、ネットは翌日に発表するという念の入れようだった。年々商業姿勢が高まり、授賞式も華やいでいるようだ。
外国映画ベスト・テン
- スリー・ビルボード(マーティン・マクドナー監督)
- ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(スティーヴン・スピルバーグ監督)
- シェイプ・オブ・ウォーター(ギレルモ・デル・トロ監督)
- ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
- ボヘミアン・ラプソディ(ブライアン・シンガー監督)
- 15時17分、パリ行き(クリント・イーストウッド監督)
- 顔たち、ところどころ(アニエス・ヴァルダ監督、JR監督)
- 1987、ある闘いの真実 (チャン・ジュナン監督)
- ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ(フレデリック・ワイズマン監督)
- 判決、ふたつの希望(ジアド・ドゥエイリ監督)
読者選出外国映画ベスト・テン
- スリー・ビルボード(マーティン・マクドナー監督)
- ボヘミアン・ラプソディ(ブライアン・シンガー監督)
- シェイプ・オブ・ウォーター(ギレルモ・デル・トロ監督)
- ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(スティーヴン・スピルバーグ監督)
- タクシー運転手 約束は海を越えて(チャン・フン監督)
- 15時17分、パリ行き(クリント・イーストウッド監督)
- 判決、ふたつの希望(ジアド・ドゥエイリ監督)
- デトロイト(キャスリン・ビグロー監督)
- グレイテスト・ショーマン(マイケル・グレイシー監督)
- ウインド・リバー(テイラー・シェリダン監督)
正直に言って意外な結果であった。評論家も読者も『スリー・ビルボード』をこれほど高く評価しているとは。この映画の趣旨も評価も個人的には悪いほうではないのだが、まさかキネ旬でこれが一位になるとは思わなかった。
では、何が一位になるべきだったか?というとそれも見当たらず、『ボヘミアン・ラプソディ』は確かに素晴らしい映画だったが、映画のクオリティとしてキネ旬の一位になるほどの作品ではない。
押し出されるような一位だった、と評価するべきか。
ブロトピ:映画ブログ更新
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なんとこの年のキネ旬は外国映画としてほとんどアメリカ映画が占領した。これはハリウッドのマーケティングにキネ旬の評論家と読者がまんまと乗せられた結果であろう。
そしてハリウッド映画のクライアントは中国資本である。もはや文化の世界でも中国が経済をコントロールしている。
コメント
コメント一覧 (2)
年々キネマ旬報選出ベストテンについては「なんだかなぁ」と思っていました。
というのも、公開本数が増え(特に外国映画)、観ているひとが多い作品が上位を占めるようになりました。
もうひとつはベテラン監督偏重(というか、経緯を表するひとが多い)。
ここ数年の選出は、80年代のスクリーン誌での「読者選出ベストテン」と同じレベル・・・と感じています。
と、いうことで、参考にはするが信頼はしない、という姿勢です。
どうも、失礼しました。
dalichoko
がしました
わかります。
映画の大量生産が見る側のクオリティを低下させていますね。
自分も含めて麻痺してる感じがします。
コメントありがとうございました。
またよろしければお願いします。
(=^ェ^=)
dalichoko
がしました