東日本大震災の記憶が薄れつつある。報道も忘れえる特集を流している。

そんなある日この本を読む。衝撃とともに得心する。
著者のあとがきがいい得て面白い。

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高い知能が幸福な人生に結びつくかどうかもわからない。

暑い夏の喉がからからに乾いたときに飲むビールの最初のひと口はものすごく美味しいが、ふた口め、三口めとなるうちにその美味しさはだんだんなくなっていき、大ジョッキをおかわりする頃には惰性で飲むようになる。このとき、ビールの美味しさを効用、ひと口めからふた口めへの効用の変化を限界効用という。経済学の「限界効用逓減の法則」とは、(ビールの美味しさだけでなく)ほとんどの効用に慣れてしまう人間の本性のことだ。

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この「限界効用逓減」は学生の頃さんざん議論した法則で、当時バブル前夜の日本を思えば、古臭いこの理論はレーガノミクス、サッチャリズムへと継承され、プラザ合意後に日本は長い長い長いデフレを続けている。

2019年1月17日 新潮新書


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以下目次

プロローグ 日本語の読めない大人たち
1 「人種と知能」を語る前に述べておくべきいくつかのこと
2 一般知能と人種差別
3 人種と大陸系統
4 国別知能指数の衝撃
5 「自己家畜化」という革命
6 「置かれた場所」で咲く不幸―ひ弱なラン


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無題


要するに「知能」は遺伝だから知能の低い人はどんなに頑張っても無駄だよ、ということを言っている。
そう聞くと不快に思う方も多いかもしれないが、それを古代から歴史的事実でもって論証しているので対抗できない。

ただ「性格」はその後の環境で変わる。そういえば鶴光太郎先生の「性格スキル」という本にもつながるようなきがする。

この、

知能+性格

が現在時間における人のアイデンティティーであることを思うと、あぁ自分が試験に何度も落ちて、そして落ちて落ちて落ちて落ち込むのは”遺伝”なのだと諦めがつく。

それは反対に考えれば、生まれもって遺伝で知能指数が高い人が「1」の努力で試験に合格できるとしたら、私などは「10」以上の努力に”金”をばらまくぐらいしないとダメだよ、と言っているのだ。

自己家畜化」という概念もすごい。

読むべし。諦めがつくからね。

冷静になって思い起こせば「愛と幻想のファシズム」でも似たようなことが書いてあったような気がするよ。













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橘 玲
新潮社
2019-01-17

もっと言ってはいけない (新潮新書) [ 橘 玲 ]
もっと言ってはいけない (新潮新書) [ 橘 玲 ]


以下、著者あとがきの続き。(抜粋)

ところが18世紀半ばにヨーロッパの辺境にあるイギリスで始まった産業革命によって、こうした状況は劇的に変わる。技術の進歩が生産性の向上をもたらし、市場を拡大してひとびとの所得を大きく伸ばしたことで、先進諸国の所得水準はわずか200年で10~20倍に達した。


私たちは学校で習った産業革命を、ローマ帝国の興亡とか、三国志のロマンとか、織田信長の天下取りとおなじ歴史のエピソードのひとつと考えているが、これはとんでもない誤解だ。産業革命以前と以後で、世界はまったく異なるものに変わってしまった。

高度化した知識社会では、高いIQは社会的・経済的な成功をもたらす。だがもうひとつわかっているのは、知能とアスペルガーのリスクとのあいだに強い相関があることだ。IQ130を超えて10上がると、自閉症スペクトラム上に乗るリスクは倍になる(2)。

ベンチャー起業家イーロン・マスク

1971年に南アフリカに生まれ、裕福だが偏屈な電気技師の父親のもとで育ったマスクは、いつも夢を見ているような風変わりな少年だった。小学校に入る頃には本に夢中になり、3年生か4年生のときには学校の図書館にも近所の図書館にも読むものがなくなり、しかたがないので百科事典を読みはじめ細部まで暗記してしまった。

その一方で友だちはほとんどできず、深刻ないじめにあって中学や高校を何度か転校している。不良たちに暴行を受け、顔に全治1週間の重傷を負ったこともあるという。

結婚と離婚を繰り返し、独身に戻ったマスクは2017年、『ローリング・ストーン』誌の取材に対しこう語った。

「子どもの頃から、ずっといいつづけてきた。一人ぼっちにはぜったいになりたくない。一人はイヤなんだ」




言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書) [ 橘玲 ]
言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書) [ 橘玲 ]


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