日経 春秋 2019/01/15記事

 偶然だが日本初の地下鉄を東京に開業した人物と、シャープの創業者の名は、どちらも早川徳次だ。下の名前の読み方が前者は「のりつぐ」、後者は「とくじ」と分かれるが、ともに起業家。駅構内への出店やシャープペンシルの考案などアイデア豊かな点も似ている。

 大きく違うのは「地下鉄の父」が途中で実権を失ったことだ。壁になったのは東急グループを築いた五島慶太。地下鉄に参入した五島は渋谷から都心へ延伸し、新橋で早川の会社の路線と接続して浅草への直通運転を狙ったが、五島を警戒した早川は拒否した。だが五島は、大株主をくどいて早川の会社を買収してしまう。


 世間は早川に同情した。ただ利用者の利便性を考えれば、相互乗り入れを提案した五島に分があったろう。五島が渋谷―新橋間の運転を始めたのが80年前の1月15日。直通運転開始までの8カ月間は2つの会社の新橋駅がそれぞれ存在し、乗客には不便だった。閉鎖された五島の会社の新橋駅は「幻のホーム」が今も残る。


 かたやシャープは、総合家電会社に育てた創業者が亡くなってから36年後の2016年、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入った。経営陣が市場の変化を読めず、液晶パネル事業の不振が長引いたことが主因だ。事業の拡大とともに、消費者目線が弱まったのだろうか。2人の早川徳次にまつわる歴史は似通ったところが多い。

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渋谷公会堂でのっとり慶太こと五島慶太の息子五島昇の薫陶を受けたことを懐かしく思う。
自分はまるで社会人として未熟で、未熟どころかつまらない社会人(大人)になりたくないというモラトリアム世代であった。

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しかし一度身を投じてみると世の中はなかなか面白くて、東急と西武の伊豆戦争などの行方を傍らで見ていたものである。

今は昔だ。

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今はつまらない大人を終えようとしている。