映画で、エル・ファニングちゃんが主演の『メアリーの総て』が公開され、これは原作から読まねばならぬ、と思いブックオフでたまたま見かけて買ってしまった。
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いろいろなことを知るのだが、なんとフランケンシュタインとはあの怪物のことではなくて、怪物を作った学者のことだった!我々がイメージする怪物くんに出てくるフランケンは怪物を生み出した創造者のことなのだ。ふんがーふんがー。

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まことに世の中は時代とともに価値も理解も曖昧に伝わるものと理解しなければならない。

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物語は北極圏を目指す探検隊の隊長の手記(手紙)から始まる。このウォルトン隊長が助けたフランケンシュタインという学者が死の間際に隊長へ語る形式で物語は進む。この物語がかなりくどくて悲惨である。フランケンシュタインが死体を継ぎ合わせて作った巨大生物は思いのほか学習能力も体力もあり、言語を使いものすごいスピードで移動できる。

ところがこの怪物、実は寂しがりやで、自分が見にくい怪物で誰も相手にしてくれないことに憤り、次々と創造者であるフランケンシュタインの身内を殺してゆくのである。

そして最後にフランケンシュタインと怪物が対決し、ぼろぼろになった状態でウォルトン隊長に救われた場面からさかのぼる物語なのだ。

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エル・ファニングちゃんの映画を見ていないのだが、あの映画の監督がサウジアラビアのハイファ・アル=マンスールという女性監督で、彼女の『少女は自転車にのって』という映画が素晴らしかったので期待している。

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さて、このフランケンシュタインの原作者がメアリー・シェリーという女性作家だというのも驚きだが、この原作の中には現代における”クローン技術”の問題が予見されている。そしてまた、この怪物を作ってしまった科学者の苦悩する姿が、1954年『ゴジラ』の芹沢教授と重なるのである。それは、科学の進歩とともに生み出されたものが怪物となって人々を脅かすという意味で大いにシンクロしている。日本においても他人事ではない。メルトダウンを起こしたチェルノブイリやフクシマが、この原作で予言されていると思うと背筋が凍る。

どうも当時はこの類の見世物と科学が紛らわしい状態があったようで、時代とともに評価も価値も変化してゆく点も面白いと思う。

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震災から8年。
早いものだ。
あの日のことを語れば止まらない。

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