まずは少し前(7月30日)の日経「春秋」より。
少しがっかりする経済データがまたも発表になった。国際通貨基金(IMF)によると、2021年の成長率の見通しは米国とユーロ圏が4月の前回予測と比べて上方修正になったのに対し、日本は0.5ポイントの引き下げ。成長率じたいも2.8%と両者よりずっと低い。

▼緊急事態宣言などが原因という。期待を集めていたインバウンド(訪日外国人)消費は、もはや忘却のかなたにある。だがそもそもいつの時代なら、経済に活力があったと言えるのだろう。リーマン・ショックの前か。昔のバブル時代か。そんな中で経済に代わり、輝きを放つ分野がある。アニメなどのサブカルチャーだ。

▼「鬼滅の刃」のヒットが記憶に新しいが、米国生まれで日本のポップカルチャー研究家のマット・アルト氏は近著「新ジャポニズム産業史」の中でもっと長いスパンで評価する。「日本はまさに経済的に破綻した一九九〇年代に、文化的には世界への発信力を爆発的に高め、希望と夢を地球上に撒(ま)き散らした」(村井章子訳)

▼「失われた30年」という言葉があるが、考えてみれば一面的だ。生産力は当然大事だが、我々に力を与えてくれるものは他にもある。アルト氏は課題先進国とも呼ばれる日本のソフトパワーを「暗い時代の灯台」と表現する。産業競争力に類するものとは別の世界で。きょうもクリエーターたちが小さな創造の灯をともす。
「灯台」ときくと、先ごろ鑑賞した『ライトハウス』(←よろしければポチしてみて下さい。)がよぎる。


二人きりの灯台守が限られた極限の中で過ごすという映画だ。
そしてアニメの現場も然り。アニメーターは昼夜を問わず、密室の冷たい空気の中で寡黙な作業を繰り返す。

日経の記事は未来を照らすような明るい内容にも受け取れるが、アニメ制作の現場は暗い。労働条件も劣悪で所得も低い。あるデータによればアニメーターの平均年収は日本の平均年収400万円にも遠く及ばないようにも言われている。彼らを守るためのクラウドファンディングがあるぐらいだ。


無題2

高い日本のアニメや漫画のサブカルは、劣悪な環境で働き、ときに大きな危険にさらされながら生活している才能ある皆さんのおかげなのだ。

無題

「夢と狂気の世界」と言われる彼らが迷い込んだ社会は、日本を救いつつ自らに大きな犠牲を払って成立している。まるで神風特攻隊のゼロ戦など、戦時中の兵士のようでもある。搾取される人々はまるで救済されない。灯台は外を照らしても内側を照らすことはない。
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