まぁ、最後の悪あがき、ということがあるかもしれない。これだけ強引に成長してきた企業群はもはや常識では地球上から全てなくなるはずだ。あのトヨタでさえもだ。しかし豊田章男社長はまだ自覚している分だけ救いがある。ほかの雇われ社長さんは自覚すらない。(ちなみに今勤めている会社はまぁ(5)だね。)

以下日経(2020/10/20)より

「衰退の五段階」と戦うトヨタ ソフト第一にカジ  本社コメンテーター 中山淳史

米テスラがトヨタ自動車の株式時価総額を抜いたのは7月1日だった。だが、その衝撃もわずか3カ月半で完全に色あせている。テスラの企業価値は現在、トヨタ、独フォルクスワーゲン、独ダイムラー、米ゼネラル・モーターズ(GM)の4社を合計した規模より上をいく。

「買った時点から減価していくもの」だった車はソフトの更新を重ねるたびに価値を高めていく。それは中古車だけでなく新車の価格形成や残存価値に多大な影響を与える可能性を秘める。

企業財務のあり方も同様だ。工場など有形資産の小さいテスラがトヨタやGMの企業価値を上回るということは、自動車が有形資産型の産業ではなく、有形資産+無形資産型、あるいは単純に無形資産型の産業へと変わりうる可能性を示した

そんな大激変期に思い出すべきは11年前に出た米経営学者、ジェームズ・コリンズ氏の「ビジョナリー・カンパニー」の第3巻「衰退の五段階」かもしれない。
卓越性が注目された会社でも衰退したり消滅してしまったりするケースは多い。その過程には5つの段階があり
(1)成功から生まれる傲慢
(2)規律なき拡大路線
(3)リスクと問題の否認
(4)一発逆転策の追求
(5)競合への屈服と凡庸な企業への転落か消滅――だという。
それでいえば、既存の自動車大手は(3)の「問題の否認」段階に来ていた可能性がある。電気自動車の時代など来ない。車のソフト化も遠い未来の話だ……。実際はそうではなく、変革者は想定外の早さで突如として登場し、時代を根本から変えようと暴れ回る。

テスラが自動車産業に持ち込んだのはいうまでもなく「破壊的イノベーション」だ。
実は、トヨタの豊田章男社長は2009年に、東京の日本記者クラブでトヨタは(2)の「規律なき拡大路線」の段階にあった、と回顧した。その豊田氏は最近、自社が運営するウェブサイトで「ソフトウェア・ファースト」という今後のスローガンを強調し、21年1月に設立するソフト新会社の戦略や意味合いを繰り返し説明している。

同社はどこまで伝統企業の宿命に抗(あらが)えるか。産業連関的には同社の先に広がる企業の裾野は広い。トヨタの今後は日本の製造業すべてにとっても多くの教訓を生み、方向感を与えることになるのだろう。
無題




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