モルヒネ経済とか夜遊び経済とか依存症経済ゲーム障害)などいろいろ分類される経済学。
だが”あぶく銭”と聞くと、庶民感覚と政治家のずれ、あるいはバブル経験者とデフレ以降に生まれた世代との隔世の念がある。
こまったことだ。

無題


春秋
2020年6月19日 0:47
     
おカネに色はない、という。だが、人は無意識のうちに様々な収入を、心の中の「帳簿」で仕訳し、支出行動を決めるのだという。汗水たらして得た報酬は大切に使おうとする。一方、賭けマージャンや公営ギャンブルで勝った利益は「棚ぼた」と考え、散財しがちだ。

▼行動経済学の権威でノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー氏は、これを「メンタル・アカウンティング」(心の会計)と名付け、不合理な人間の振る舞いを研究した。当局が税金を多く徴収し、後に還付すると――。人々は案外、無頓着に使ってしまう。「あぶく銭勘定」に色分けする心理が働くのだろうか。

▼検察当局は河井克行前法相と、妻の案里参院議員を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。昨年の参院選で自民党本部は、他の公認候補に比べ破格に多い1億5000万円の活動資金を案里議員の陣営に振り込んだ。夫妻は地元議員ら約100人に計約2500万円の現金を配り、票の取りまとめを依頼した疑いがある。

▼自民党の収入の約3分の2は政党交付金だ。政党への公的助成は、政治家の不正なカネ集めを抑制する目的で制度化された。もし私たちの税が、買収の原資になったとしたらやりきれない。政治資金の使途は不明朗で、キャバクラ代などに支出した例もある。あぶく銭と考えているのか。事件のもう一つの闇はここにある。




社会・経済ランキング


SeesaaBlogs WordPress muragon ameba rakuten Hatena Kinenote