昨日、滅多に見ないテレビドラマに釘付けになった。ビートたけしさん主演、松本清張原作『点と線』だ。以前も見たのだが、まるで違うドラマに見えた。そこには戦争が横たわっているのだ。

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さて本題である。

びっくりするような内容だった。初めて知る世界だ、恐怖か恋愛か。

著者の朝倉かすみさんは北海道出身の女流作家。主人公が女性であることあり、文体も女性的である。

2006年9月刊行。2008年2月10日初版、幻冬舎文庫。7月3日読了。
ほかに誰がいる (幻冬舎文庫) [ 朝倉かすみ ]
ほかに誰がいる (幻冬舎文庫) [ 朝倉かすみ ]

主人公は本城えり。高校生。
著者の狙いは「ひとめ惚れ」だそうで、出だしから主人公がひとめ惚れする賀集玲子という女性をとことん愛し続ける話。この賀集玲子を主人公は天鵞絨(びろうど)と呼ぶ。褐色の肌を持つ異国情緒あふれるいでたちを想像させる。主人公はこの天鵞絨と同一化しようとする。

天鵞絨に彼氏ができて主人公は自傷する、耳はちぎれ足はボルトを入れるほど自らたたく。
入院中に同級生のタマイという男性と仲良くなり、退院してから付き合うが、主人公が悪ふざけしてキックしたらタマイは死んでしまう。

このあたりの残虐性は凍える。

ある日通院している病院に偶然”賀集”というレントゲン技師と出会い体を許す。この醜い男が天鵞絨の父親であることで、天鵞絨とつながろうとする。そして賀集の子供を産む決心をする。

ところが・・・

この最後のあたりの展開には息をのむ。

はじめにタイトルを「ほかに誰いる」だと思っていたら「ほかに誰いる」だった。この「か」と「が」の違いとは、主人公がしばらく天鵞絨と距離を置いて、久しぶりにメールが届いたパソコンの画面を抱きしめるシーン。「天鵞絨から排出される金色の液体が真っ白な陶器にあたる音を息を殺して聞いていた。」自分。この表現に圧倒される。こんなことできる人など「ほかに誰がいる」というタイトルになる。

思春期の若い女性が同姓に憧れたり同一化しようとする過程でジェンダーなど性同一性への道を歩むケースがある。しかしこのドラマはそうした傾向とはまた世界を異にしている。

BLANKEY JET CITYの楽曲にも影響されている過激性。

時代背景は「油にまみれた真っ黒い海鳥」という文章から湾岸戦争の時期である。

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ライオンズはバファローズにかろうじて勝った。
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全英オープンゴルフで渋野日向子選手が優勝した。まだ20歳だそうだ。樋口久子さん以来のメジャー制覇だとか。すごいことだ。

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